婦人科疾患の漢方治療
一、病因病機
- 腎虚(生理的と病理的)
- 労倦(精神的な疲労・肉体的な疲労・性的な疲労)
- 七情(喜・怒・憂・思・悲・恐・驚)失調
- 先天素因(遺伝・性格)
- 臓腑虚損(心・肝・腎)
- 瘀血、気滞
- 湿熱
ニ、常用漢方エキス剤
〔一〕加味逍遥散(かみしょうよんさん)
【組成】当帰、芍薬、白朮、茯苓、柴胡、甘草、丹皮、山梔子
【効能】疏肝健脾、和血調経、清熱瀉火。
【主治・適応症】 胸脇部が脹って苦しい、ゆううつ感、いらいら、怒りっぽい、頭痛、潮熱、顔面の紅潮、口や咽喉部の乾燥感、疲れやすい、女性では、月経不順、月経痛、月経前の乳房脹痛、下腹部の脹痛、無月経など。舌質が紅、舌苔が薄黄、脈が弦細数。
【臨床応用】 臨床では、本方を投与する場合には肝気鬱結・肝鬱化火の病態を把握しなければならない。胸脇部が脹って苦しい、ゆううつ感、いらいら、怒りっぽい、頭痛、潮熱、顔面の紅潮、口や咽喉部の乾燥感、疲れやすいなどは本方を用いるポイント症候である。 自律神経失調症・抑うつ症・ヒステリー・神経症、更年期障害、月経不順、月経痛、不正性出血、月経前期症候群、乳腺症、慢性乳腺炎、慢性肝炎、微熱、肩こり、皮質性失明、視神経炎、中心性網膜炎、網膜中央静脈梗塞、老年性白内障、化膿性角膜潰瘍、慢性甲状腺炎、過敏性腸症候群、胃十二指腸潰瘍、神経性胃炎、神経性下痢、胆嚢炎、胆石症、月経前後症候群、不妊症、産後不眠症、精神分裂症などの疾患。
【参考】 薬理研究によって、以下の作用が証明されています。
- 本剤は抑うつ症や不眠症に対しては昼と夜のリズムや睡眠リズムの乱れを改善する作用を示している。
- 更年期障害や卵巣摘出術後の患者に本剤を投与して検討したことによって血管運動神経症状・精神神経症状・知覚運動器官症状・消化器症状に対して極めて高い有効率を認めたと報告されている。
- 本剤はLHとFSHの量を抑制する傾向が臨床研究や基礎研究から示されている。
- ラットの急性肝障害に対して本剤を投与したことによって血清GPT・GOTを低下させ肝細胞の脂肪病変や退行性変性を軽減し肝細胞の再生を促進した効果を報告されている。
- 鎮痛作用・抗抑うつ作用・自律神経調整作用など。
本剤が適応する病態については、消化吸収機能の低下(脾虚)と栄養不良状態や内分泌系の失調状態(血虚)が基礎になり、自律神経系の失調(肝気鬱結)や自律神経系の興奮(肝鬱化火)が加えたものであると考えられる。
【使用上の注意】
● 妊婦及び妊娠している可能性のある婦人に慎重に投与する。
● 胃腸が虚弱しているものに下痢や腹痛を起こす恐れがあるので慎重に投与すべきである。
〔ニ〕当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
【組成】当帰、芍薬、白朮、川芎、茯苓、沢瀉
【効能】補血調肝、運脾除湿。
【主治・適応症】肝血虚・脾虚湿滞。顔色が悪い、皮膚につやがない、手足のしびれ、筋のけいれん、頭痛、月経不順、月経量が少ない、月経痛、月経が遅れるなどの血虚の症候に、食欲不振、腹痛、むくみ、四肢の冷え、泥状便あるいは水様便、白色帯下、尿量が少ないなどの脾虚湿滞の症候を伴うもの、舌質が淡胖、舌苔が白、脈が細あるいは軟滑など。
【臨床応用】本方は顔色が悪い、皮膚につやがない、手足のしびれ、筋のけいれん、頭痛、月経不順、食欲不振、腹痛、むくみ、四肢の冷え、泥状便あるいは水様便、白色帯下、尿量が少ないなどの症候を伴う場合には用いられる。更年期障害、不妊症、習慣性流産、胎位異常、妊娠中の浮腫・妊娠中毒症・子癇前駆症、月経痛・月経不順・月経困難、不正性出血、冷え症、帯下、老年性痴呆症、自律神経失調症、胃腸神経症、貧血、慢性腎炎、頭痛、眩暈、半身不随、心臓弁膜症、しみ、慢性肝炎、卵巣水腫などの疾患にも用いられる。
【参考】現代薬理学的研究によって、以下の作用が証明されている。
- 卵巣機能不全を改善する
- 黄体形成ホルモン(LH)を上昇させる
- ブロゲステロン分泌を刺激する
- LH-RH分泌を促進し、下垂体からLH分泌を亢進させる
- 子宮―胎盤血流状態を改善させることで胎仔の発育を促進させる
- 貧血状態を改善する
- 記憶学習能力の改善効果
- 微小循環障害の改善作用
- 血圧降下作用、抗動脈硬化作用
- 抗炎症作用
- 鎮痛作用、鎮静作用、自律神経調整作用
- 利尿作用など。
〔三〕桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
【組成】桂枝、茯苓、芍薬、桃仁、牡丹皮
【効能】活血化瘀、緩消瘀腫
【主治・適応症】
- (1)婦人瘀血証:
- 下腹部の腫瘍、月経困難、月経痛、無月経、不正性器出血、子宮内膜症などに、下腹部の疼痛や圧痛抵抗などの症状を伴うもの、舌質は紫暗あるいは瘀斑、脈は渋あるいは弦。
- (2)血瘀証:
- 四肢のしびれや痛み、冷え、静脈の拡張や蛇行、皮膚の瘀斑、関節の痛み、打撲による瘀血、頭痛、肩こりなどの一般的な瘀血症候があるもの、舌質は紫暗あるいは瘀斑、脈は渋あるいは弦。(血瘀証には男女を問わず用いることができる)
【臨床応用】婦人瘀血証(月経困難、月経痛、無月経、不正性器出血、子宮内膜症、子宮筋腫や卵巣腫瘍の初期、産後子宮復古不全、死胎、骨盤内炎症、乳腺腫瘍など)に、下腹部の痛みや冷え、局部の圧痛や抵抗、四肢の冷え、舌質の紫暗あるいは瘀斑、舌のうらに静脈の拡張や蛇行などの瘀血症候を認める場合には本方を投与する。また、男女を問わず一般的な瘀血の症候(四肢のしびれや痛み、冷え、静脈の拡張や蛇行、皮膚の瘀斑、打撲による瘀血、肩こり、半身不随など)を認めれば投与する。
【薬理参考】本方では、瘀血モデル動物を用いる現代薬理研究によって以下のことが証明されている。
- 血液凝固能の亢進、血液粘度の上昇、過酸化脂質の上昇などを抑制する。
- 赤血球変形能の低下を改善する。
- 血液循環の改善と抗血栓作用。
- 子宮筋腫や子宮内膜症を改善する。
- 乳腺の腫瘍化と腫瘍増殖を抑制する。
- 高プロラクチン血症モデル動物の血中テストステロンを低下させる。
- 抗炎症作用。
【使用上の注意】
● 妊婦には本方の投与を禁忌とする。
● 出血性疾患や月経量過多の患者には慎重に投与する。
● 本方は空咳や咽喉部の乾燥感などの陰虚症状が見られる場合には投与しない。
● 著しく体力の衰えている患者や胃腸の弱い患者には慎重に投与する。
〔四〕四物湯(しもつとう)
【組成】地黄、芍薬、当帰、川芎
【効能】補血活血、調経
【主治・適応症】血虚証顔色が悪くつやがない、皮膚がかさかさして潤いがない、目がかすんで疲れる、ふらつく、頭がボーとする、動悸、四肢のしびれ感、筋肉のけいれん、女性では月経量が少ない、月経周期の延長、無月経、舌質は淡紅、脈は細など。
【臨床応用】本方は補血の代表処方であり、また月経調整の重要な処方でもある。めまい、たちくらみ、顔色が悪い、舌質が淡で、脈は細などが弁証のポイントである。月経痛、貧血、子宮内膜炎、慢性腎炎、小児乾癬症、慢性湿疹などに用いられる。
【参考】本方は薬理研究によって、以下の作用が証明されている。
- 骨髄造血の改善作用
- 細胞免疫の促進作用
- 滋養強壮作用
- 血管拡張作用
- 老化の遅延作用
- 栄養成分補給や血行促進などの効果による卵巣機能の改善作用など。
【使用上の注意】
- この処方は、いわゆる造血剤ではないので、貧血や出血後などでは補気剤を併用した方がよい。
- 平素、胃腸が弱い、食欲がない、軟便や下痢などがみられる場合には投与しないように注意することが必要である。
- ほてり、のぼせ、潮熱、咽喉部の乾燥感などがみられる場合には投与しない。
〔五〕桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
【組成】桃仁、大黄、桂枝、炙甘草、芒硝
【効能】破血下瘀・泄熱
【主治・適応症】
- (1)蓄血証:
- 下腹部が硬く脹って痛む・圧痛・抵抗、便秘、排尿には異常がない、うわごと、夜間の発熱、甚だしい場合には意識障害・狂燥状態を呈する。舌質は紅紫あるいは瘀斑、脈は沈実。
- (2)下焦の血瘀証(骨盤内うっ血症候群):
- 下腹部の痛み・圧痛・抵抗、便秘、下肢の冷え・下腿静脈の怒張や蛇行、外痔核、月経困難などの一般的な瘀血症候があるもの、舌質は紅紫あるいは瘀斑、脈は沈実。
【臨床応用】下腹部が硬く脹って痛む・圧痛・抵抗、便秘、夜間の発熱、甚だしい場合には意識障害・狂燥状態を呈する場合に本方を用いる。臨床では、骨盤内血腫、骨盤内炎症、子宮内膜炎、月経困難症、産褥期精神病、統合失調症、反応性精神病、ヒステリーの興奮型、習慣性便秘、慢性肝炎、肝硬変、開腹術・人工流産後の腸管癒着、痔疾患、下肢静脈瘤、閉塞性血栓血管炎、血栓性静脈炎、肩こり、頭痛、打撲などの疾患に、四肢の冷え、便秘、舌質の紫暗あるいは瘀斑、皮膚の瘀斑など、下焦瘀血の症状が見られる場合には本方を投与してもよい。
【参考】下焦の血瘀証とは、「骨盤内うっ血症候群」の病態に相当するので、分娩、人工流産、習慣性便秘、慢性炎症などのさまざまな要因によって骨盤内うっ血の病態が生じ、これに伴う子宮、附属器、腸管(とくに結腸)などへの血流が阻害されて現れる症候群と考えられている。蓄血証とは、上述した発生機序とほぼ同様であるが、症状がやや重く、炎症性の反応がつよく介在すると考えられる。本方は、薬理研究によって、以下の作用が証明されている。
- 血液凝固能の亢進、血液粘度の上昇を抑制する
- 血小板凝集を抑制する
- 血液循環改善作用と抗血栓作用がある
- 骨盤腔内の血管を拡張して血流を促進し、瘀血病態を改善する
- 細胞の貪食能や線溶系の活性を高める
- 抗炎症作用
- 瀉下作用など。
【使用上の注意】
● 妊婦には流産の恐れがあるので本方の投与を禁忌とする。
● 瀉下の効能がつよいので下痢や軟便のものに投与しないように注意する必要がある。
● 本方は体の虚弱状態を認める場合に投与しない。
三、症候による漢方エキス剤の使い方
臨 床 症 状 | 漢方エキス剤 |
●血虚水湿型 顔色が悪い、皮膚につやがない、手足のしびれ、筋のけいれん、頭痛、月経不順、月経量が少ない、月経痛、月経が遅れるなどの血虚の症候に、食欲不振、腹痛、むくみ、四肢の冷え、泥状便あるいは水様便、白色帯下、尿量が少ないなどの脾虚湿滞の症候を伴うもの、舌質が淡胖、舌苔が白、脈が細あるいは軟滑など。 | (23)当帰芍薬散 |
●肝鬱脾虚型 いらいらする、気にしやすい、頭痛、肩凝り、潮熱、月経不順、下腹部の痛み、胸の煩悶感、食欲不振、腹痛、便秘あるいは下痢、月経不順、舌質は淡、舌苔は薄黄、脈は細弦など。 | (24)加味逍遥散 |
●腎虚肝旺型 月経不順、あるいは閉経、ふらつく、耳鳴り、燃えるようにのぼせ、手足のほてり、汗がよくでる、いらいらする、怒りやすい、腰や下肢の脱力感、舌質は紅で、舌苔は少ない、脈は細弦数。 | (24+87)加味逍遥散合六味丸 |
●腎陰虚型 月経の量が減ってついには閉経に至る、帯下は少ない、陰部の乾燥感、腰や下肢の脱力感、めまい、ふらつく、耳鳴り、不眠、手足のほてりやのぼせ、舌質は紅で、舌苔は少ない、脈は細数。 | (87)六味地黄丸 |
●腎陽虚型 色が薄い不正性出血、疲労倦怠感、顔や目の浮腫あるいはむくみ、腰や下肢の脱力感、腰痛、排尿異常(特に夜間の頻尿)、尿失禁、手足の冷え、耳鳴りなど、舌質は淡で、舌苔は薄白、脈は沈細無力 | (7)八味地黄丸 (7+32)八味地黄丸合人参湯 |
●心肝火旺型 煩燥、怒りやすい、口が苦い、動悸、不眠、高血圧あるいは高血圧傾向など。舌質は紅、舌苔は薄黄、脈は弦あるいは細弦数。 | (12)柴胡加竜骨牡蛎湯 |
●気滞血瘀型 下腹部膨満感、脹痛、著明な圧痛、月経の色が紫暗で、血塊を混じ、血塊が排出してから痛みが軽減する、しばしば胸部の煩悶感、乳房の脹痛を伴う。舌質は紫暗、あるいは瘀点や瘀斑、舌苔は薄白、脈は沈弦。 | (25)桂枝茯苓丸 (61)桃核承気湯 |
●寒凝血瘀型 下腹部の冷痛、痛いところを温めると痛みが軽減され、押えるとひどくなる、月経の色が暗紅、血餠がある、あるいは色が黒い。舌質は暗紅、辺縁は紫暗、舌苔は白膩、脈は沈緊。 | (38)当帰四逆加呉茱萸生姜湯 (60)桂枝加芍薬湯 |
●陽虚内寒型 下腹部の冷痛、痛い所を温めたり押えたりすると痛みが軽減する、寒くなると増強する、月経量が少なく色が淡、寒がり、四肢の冷感、腰や下肢の脱力感、頻尿など。舌質は淡、舌は白潤、脈は沈。 | (106)温経湯 (7)八味地黄丸 |
●湿熱下注型 陰部の湿疹、瘀痒、灼熱感、月経の色が暗紅、血餠があり、不正性器出血、あるいは平素に黄色膿性の帯下があるなど。舌質は紅、舌苔は黄膩、脈は滑数あるいは弦数。 | (57)温清飲 (76)竜胆瀉肝湯 |
●気血虚弱型 生理後あるいは生理中に下腹部の隠痛、痛い所をもんだり押えたりすると楽になる、月経の量が少なく色が淡、顔色はよくない、倦怠疲労感、疲れやすいなど。舌質は淡、舌苔は薄白、脈は細弱。 | (71+75)四物湯合四君子湯 (108)人参養栄湯 (48)十全大補湯 |
四、ポイント症状による漢方エキス剤の使い方
臨 床 症 状 | 漢方エキス剤 |
★虚弱体質の人で、月経血量の減少、貧血、全身疲労倦怠感、四肢の冷え、むくみなどを伴う場合。 | (23)当帰芍薬散 |
★体質虚弱な人で、いらいらする、怒りやすい、気にしやすい、精神不安、疲れやすい、月経不順、肩こり、のぼせなどの場合。 | (24)加味逍遥散 |
★体力中等度もしくはそれ以上の人で、生理前あるいは生理中に腹痛や腰痛があり、下腹部に抵抗・圧痛を訴え、子宮筋腫や子宮内膜炎などをともなう場合。 | (25)桂枝茯苓丸 |
★顔色が悪くつやがない、皮膚がかさかさして潤いがない、目がかすんで疲れる、ふらつく、頭がボーとする、月経量が少ない、月経周期の延長、無月経などの場合。 | (71)四物湯 |
★突然の出血、色が紫暗、血塊があり、小腹部の痛み、手足の冷えなど。 | (77)芎帰膠艾湯 |
★月経量が多い、月経後に出血が続く、口渇、顔面紅潮、体の熱感などの場合。 | (57)温清飲 |
★不正性出血、色が淡紅稀薄、全身疲労倦怠感、顔色が悪い、食欲不振、腹部膨満感など。 | (65)帰脾湯 |
★帰脾湯の症状に精神不安、イライラ、不眠などを伴う場合。 | (137)加味帰脾湯 |
★全身倦怠感、食欲不振、顔色不良、皮膚枯燥、貧血傾向などの場合。 | (48)十全大補湯 (108)人参養栄 |
★不眠、煩燥、夢が多い、よく目がさめる、動悸、盗汗、頭のふらつきなどを認める場合。 | (103)酸棗仁湯 |
★手足の冷え、しもやけ、下腹部の冷えや痛み、痛いところを温めると痛みが軽減され、頭痛、腰痛を伴う場合。 | (38)当帰四逆加呉茱萸生姜湯> |
★比較的体力が低下した人で、月経期中あるいは月経後に下腹部の冷痛、局部を押さえる、あるいは温めると痛みが楽になる場合。 | (106)温経湯 |
★比較的体力があり下腹部膨満感、脹痛、著明な圧痛、月経の色が紫暗で、血塊を混じ、便秘を伴う場合。 | (61)桃核承気湯 |
★全身疲労倦怠感、疲れやすい、自汗、食欲不振、内臓下垂、子宮脱出などの場合。 | (41)補中益気湯 |
★腰部およぶ下肢の脱力感、手足のほてり、潮熱、月経量少、疲れやすいなどを伴う場合。 | (87)六味地黄丸 |
★腰や下肢の脱力感、腰痛、夜間の頻尿、手足の冷えなどの場合。 | (7)八味地黄丸 |
★生理中あるいは生理後に下腹部の隠痛、全身倦怠感、食欲不振、顔色不良、皮膚枯燥、貧血傾向などの場合。 | (48)十全大補湯 (108)人参養栄湯 |
★煩燥、いらいらする、不眠、動悸、頭痛、胸脇苦満、高血圧傾向などの場合。 | (12)柴胡加竜骨牡蛎湯 |
★体質虚弱な人で、やせて顔色悪く、精神不安、疲れやすい、寝汗、手足の冷えなどの場合。 | (26)桂枝加竜骨牡蛎湯< |
★立ちくらみ、めまい、動悸、息切れ、頭痛、手足の冷え、血圧が低い場合。 | (39)苓桂朮甘湯 |
★気分がふさいで、咽喉部につかえる感じ、気にしやすい、不眠、精神不安などの場合。 | (16)半夏厚朴湯 |
★ 疲労倦怠感、動悸、不整脈、物忘れ、手足のほてり、のぼせ、口唇や咽喉部の乾燥感などを伴う場合。 | (64)炙甘草湯 |
★ 精神興奮、いらいら、不安、不眠、ひきつけなどが見られるヒステリー症。 | (72)甘麦大棗湯 |
★ 胸焼け、上腹部痛、食欲不振、不安、不眠、口内炎などを認める場合。 | (14)半夏瀉心湯 |
★ 精神不安、涙もろい、胸のつまり感、ため息、うつ傾向、咽喉や食道部の異物感、食欲減退、心窩部の膨満感、あるいは不快感や痞え感などの症状が見られる場合。 | (96)柴朴湯 |
★ 疲労倦怠感、頻尿、排尿痛や不快感、不眠、咽喉部の乾燥感などの症状が見られる場合。 | (111)清心蓮子飲 |
★ 口が苦い、頭痛、肩こり、怒り易い、いらいら、不眠、便秘などを伴う場合。 | (8)大柴胡湯 |
★心窩部の膨満感、食欲不振、嘔気、心窩部から季肋部にかけての抵抗や圧痛、微熱などがある場合。 | (10)柴胡桂枝湯 |
★ 食欲不振、疲労倦怠感、軟便あるいは下痢便、上腹部のつかえ、悪心、嘔吐などを伴う場合。 | (43)六君子湯 |
★ 食欲不振、腹部の冷えや冷痛、疲れやすい、暖かいものが好き、軟便などの症状が見られる場合。 | (32)人参湯 |